ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

出産直後の妻のトリセツ(3)

今回は、母乳育児をしようとしてる妻のトリセツ。特に、最初の1、2ヶ月のサポートは、産後うつを防ぐのにも超重要、と思います。

こればかりは母親へのプレッシャーがかなり大きいので、母親は常に気を張っていて、ぴりぴりしています。特に最初の1ヶ月。何気ない発言のつもりでもレーダーにひっかかりまくるかもしれません。たとえば、赤ちゃんがぐずるたび、「おなかすいてるんじゃない?」「ミルクほしいんじゃない?」っていうとか。赤ちゃんが泣いている=お腹がすいているにちがいない、という発想は単純すぎです。赤ちゃんはもう疲れて寝たいのかもしれない。うんちが出て気持ち悪いのかもしれない。げっぷがうまく出てなくて、ガスがたまっておなかが痛いのかも。そういうのをまったく考えず(そういう知識もなく)、「おなかすいてるんだよ。はい」と赤ちゃんを母親に渡していたら、授乳だけでも相当な時間と体力を使っているのに母親は休む暇がありません。授乳だけは(ミルクを使ってない限り)母親じゃないとできないからこそ、ほかのところで父親に手伝ってもらいたいのです。

最初の1ヶ月ぐらいは赤ちゃんがほしがるたびに授乳、とかでスケジュールも何もないかもしれませんが、2ヶ月ぐらいからは2時間半おき、とか3時間おき、とかだんだんリズムができてきます。母親はもちろん承知してますが、父親も積極的にそういうことを知ろうとする姿勢が大事。そうしたら、ほんの1時間前に授乳終わったところなのに、泣く赤ちゃんをみて「おなかすいてるんじゃない?」とは言わないでしょう。新生児はそんなに長い時間ハッピーに起きてられないので、むしろ、「あ、そろそろ眠いのかな。じゃあ、少し抱っこしてあげて、寝るかどうかためしてみよう」とか、そういう発想にもっていけたらすばらしい。わからなかったら、自分でも勉強しましょう。母親の方だって、初めての子だったら何もわからないのはいっしょです。でも、育児書を読んだり、ネットでみたりして勉強していって、赤ちゃんの反応をみつつ経験を積んでいっているだけ。父親も同じペースでそれをすれば同じだけのことがわかります。が、それをしないでいると、どんどん知識と経験に差がついていって、なんでも奥さんにきかないとわからない状態になります。「泣いてるけど、どうすんの?」という母親にまかせきりの姿勢が、ピリピリ状態の奥さんの神経にさわる、または負担を増やすことを知りましょう。産後うつを防ぐのに、こういうの大きいと思います。

それから、赤ちゃんがほんとにおなかがすいている場合があります。つまり、授乳がんばってるけど、ミルクが足りない、母乳生産が追いついてない場合。こういうときこそ気を遣っていたわってあげるのが超重要です。がんばってるのにうまくいかないと不安になったり、自分の責任だと感じたりしているはずなので。肉体的疲労と精神的ストレスで弱っているところに、赤ちゃんの泣き叫ぶ声はめっちゃこたえます。赤ちゃんを抱いて、できれば少し離れた所にでも連れて行って、あやしてあげるとかいいと思います。奥さんには労りの言葉を。「おなかすいてるんだよ」はただの事実でも、「(きみの)母乳が足りてないんだよ=きみの責任だ」にきこえてしまうので注意*1。ただ、がんばってることを口に出して認めてあげて、「お疲れさま」とか「ありがとう」とかいってあげる。私がこの状況で夫にこれをされたら、たぶん泣くと思います。で、自分が不安に思ってること心配なこと、赤ちゃんに対する罪悪感までさらけ出せると思う。泣くのってとってもセラピー効果高いので、すっきりします。夫はわかってくれてる、と思うと次もうちあけやすいし。これが前述の「きみの責任だ」調だと、こちらは守りに入るのが想像つくでしょうか。「私だってがんばってるのよ!」と返ってくるわけです。素直に自分の不安を吐露しようなんて気になりません。下手すると「そっちは何もしてないくせに」とか攻撃されることもあるかもしれません。なので、奥さんの性格がどうあれ、多少感情的になったり、ヒステリックになったり、情緒不安定なのは、「ああ、産後ってそういうものなんだよな」と覚えておいて、動揺せず、ウザがったりせず、「大変だよね」「がんばってるよね」といってあげましょう。案外、一旦泣いたらすっきりして、何事もなかったかのようにいつもの奥さんにもどるかも(?)。でも、母乳育児が確立するまでの1、2ヶ月、夫のサポートはめっちゃ大切です。

 

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*1:。そんなの被害妄想だ、と思うかもしれませんが(実際そうかもしれませんけど)、大いにありうるシナリオ。経験済み。じゃあ、「母乳じゃなくて(市販の)ミルクをあげたら?」といえばいいのかというとそうでもない。母乳が一番、といわれてるのは母親も重々承知していて、だからがんばってるわけなので、その努力を無にする発言、ととられます。