ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

バイリンガル教育について思うところ(子どもたち@小学生時点)

一応、息子たちは日英バイリンガル。どちらもコミュニケーションする程度には困らない、という意味で。「バイリンガル」は奥が深く、小学校に入ると読み書きが導入され、その後も学習言語として複数言語のレベルを均一に保っていくのは至難の業。特に、「アメリカで」「英語と日本語という組み合わせ」はなかなか難しいのかなあと感じます。ええ、うちは難航中です(泣

まず、「アメリカで」ですが、ヨーロッパや中東の一部などは、家庭では親の母国語(時にはそれが既に複数言語)、学校教育は第二言語、さらに大人になってからも専門性を高めるためにもう一言語習得、などなど多言語の環境がある印象。

例えば、スイス在住の夫の友人家族。彼はフランス人なのですが、ブラジル人の奥さんと結婚、なので家庭ではフランス語とポルトガル語、時々英語が混ざる(奥さんはフランス語話せるけど、英語の方が上手なので。彼ももちろん英語もできる)。子供が通う保育園の共通言語はドイツ語(ドイツ語圏のスイス在住)。そして学校に通うようになればここにたぶん英語が加わる。まだ子供が小さいので全ての言語をどの程度保てるかは分かりませんが、すでに多言語デフォルトの環境がある感じ。

例2。夫の昔のボスはモロッコ人の女性。家ではアラビア語、でも学校教育はフランス語で受けた。そして彼女は自分のキャリアの必要上、英語も勉強したので、3ヶ国語ものすごくスムーズ。たぶん、書くのはこれが得意、話すのはこれが楽、的な差はあるんだろうけれど、どれもかなりレベルが高い印象でした。

で、アメリカですが。。。日々の生活で他言語が必要な機会は、うちの場合ほぼゼロ。幸いなことに日本語学校がエリアにあるので、子供たちはかろうじて日本語を使う機会が週に1度だけありますが、アメリカはエリアによってそれすら存在しない。それもあって、熱心な家庭はかなり遠方から土曜日の日本語学校のために通ってくる。片道1時間とかかけて。

もちろん、家庭では私と日本語で話しますが、私に英語が通じることを息子たちも承知しているので、しょっちゅう英語が混ざる。おもしろいもので、ある単語は日本語しか知らない、この単語は英語だけ、あれは両方知ってる、という区別があります。まあ、英語だけで知ってるのが3〜4割、両方知ってるのは6割、ほんの一部日本語だけ、って感じですが。しかし、子供の年齢が高くなるにつれて、学習言語は英語一色になっていっているので、この割合はどんどん変わっていくと思います。

ちなみに、英語でどんどん導入される学習言語を、随時日本語で追加し、レベルを学年相応に保っていくのは至難の業。親の確固たる決意と時間の確保、そして子供のやる気が必要というハードル激高のタスクだと思います。例えば、算数用語の「正方形」だの「頂点」だの、現地校では全く使わず、日常生活でも出てこないような言葉を導入、子供に記憶させなくてはいけないわけです。そして社会だの理科だの入ってくると、「公害問題」とか「光合成」とか概念も難しければ漢字も難しい。そしてそれらをするためにベースとして必要な国語の語彙力・漢字の知識を同時進行でつけていく。日本の子供達のように日常生活に漢字が溢れている環境ではないので、それこそ家庭でそれに近い環境を作っていく(日本語のポスター貼りまくるとか)のはかなーり難しいです。

そして、ここで「英語と日本語という組み合わせ」になるのですが、日英でそもそも文字が共通していないため、読み書きにかかる労力がほぼ倍になる、そしてせっかく覚えた文字も日常生活で使われる機会がないため、記憶を保つのが非常に難しい、ということがあると思います。例えば、英語・スペイン語・フランス語などでは、スペルが違うことももちろんありますが、基本的なアルファベットはほぼ共通、発音やスペルのパターンがわかれば推測可能、というのは言語間の距離が小さいからこそ。日英は残念ながらそうした共通項目がゼロに近い(日本語英語なんてむしろわかってもらえないし。英語だと思ってた外来語が実は他の外国語だった、とか汗)。

子供の成長と共に高くなっていくバイリンガル教育の壁を見つめ、壁の前をウロウロしている私。読み書きがない幼児期はまだよかったですが、長男が小学生になった時に悩みました。日本でいう「小1の壁」とは若干趣きが違いますが、バイリンガル育児にも「小1の壁」あるなーと感じています。

つづく。