ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

親が与えてくれたもの、子供に与えたいもの

自分が日本の外で豊かな生活を送るうえで、これは親が与えてくれたからこそだなと感じるものが大きく三つあります。経済的基盤、高等教育、基本的な身体能力です。

夫共々、この国で生まれ育ったわけではなく、むしろいい大人になってから移り住んだので、お互いスーツケース2つから生活がスタート。資産とかつながりとかいうものはゼロでした。どちらの実家もかなりつつましい家庭、何ならそれぞれの両親ともに大学も出ていないし、自分の父親に至っては、中卒で東京に出てきて、働きながら高校に通ったとか。戦後という時代的ファクターももちろんあるのですが、それでも自分の子どもたちをみんな大学に通わせてくれ、娘の私に至ってはさらに大学院、留学2回。。。もちろん、奨学金を確保したり2回目の留学は自分で費用を工面したりとできることはしてましたが、親のサポートがあってこそ。教育に投資してくれたことは本当にありがたいと思っています。

そして、アメリカで暮らしていくとなってからは、それぞれ仕事をしてその収入で生活をしていたものの、親が自立していて、経済的に支えなければならないというような心配とは皆無だったからこそ、自分たちのアメリカでの生活を軌道に乗せることだけに集中していられた。親が心身ともに健康で、経済的に不安がない状況でいてくれたことは当たり前ではなく、私たちが恵まれていたんだなと実感しています。母国にいる親や家族をサポートするために、アメリカで収入を得、送金する人たちもたくさんいる。または、アメリカに家族を呼び寄せて一緒に暮らしながらサポートしたり。そうではなく、むしろ時折サポートに来てくれたりする親(ベビーシッター!)を持っている自分は幸運なのだなと。

アメリカでの資産形成には家を買うことが大きなステップで、わが家の場合、子供が生まれる前に小さいコンドを購入していたお蔭で、コンド→小さい一軒家→大きい一軒家とステップアップできた。この時に、(当時の私たち夫婦にとっては)かなりまとまった額だった頭金を双方の両親が少しだけサポートしてくれました。このお蔭で借入額を抑えることができ、結果このローンは5年足らずで完済することができました。そしてその後は、持ち家の売却益で、ほぼ毎月の支払額は変えることなく、より高額な不動産を購入することが可能になった。不動産価格が通常、上昇していくアメリカでは、最初の山さえ何とか乗り切ってしまえば、後は勢いがついて自然にステップアップしていくループに入れるので、この最初のサポートは今思えば大きな額ではないものの、効果抜群でした。

裕福とは言えませんが、両親の生活が磐石で、堅実な生活をしていて、子供の人生の節目には多少のサポートができる環境にいてくれたことで、私たちは今アメリカで安定した生活を送れているのだなあと思います。アメリカで仕事を得、生活していくためのスキルや語学力は、留学を含む長年の学生生活の賜物でもあるので、私の教育に投資してくれたことにも感謝。夫も学部卒業後院に進み、院終了後もトレーニング的ポジションが長かったので、いわゆる定職につくまで軽く10年ぐらい。経済的な援助があるかは別として(夫はほぼ自力で生活していた)、親たちが教育に投資してくれていなかったら、お互い、今ここにはいなかっただろうと思います。

そして最後に、基本的な身体能力というのは、小さい頃から遊びとして家族でスポーツをするのが当たり前で、大抵のことはできるようになっていたこと。私が子どもの頃、習い事に回すお金はあまりなかったようなのに、スイミングには通っていたので、自分は一通り泳げるという自信があるし、小学校に上がる前から毎年必ず家族でスキーに行っていたので、スキーもできるし、学生時代にスノボもある程度できるところまではいった。小学校でアクロバティックなダンスに没頭していたので、柔軟性もバランス感覚も磨くことができた。これらの身体能力は生き抜くのに必要なスキルではないけれど、人生を楽しく豊かにしてくれていると思います。そして、「たぶんできるだろう」とうっすら思えることは、大人になってからも気軽に新しいアクティビティに挑戦することにつながっている。私は体を動かすことが好きなんだな、と最近やっと実感してからは、これは親が与えてくれた大きな財産だったんだなと認識するにようになりました。

そんなことを感じている今現在、親になった自分が、子どもに与えてあげたいと思っているもの、を次回