ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

海外在住で子どもの日本語を保つためにできること

以前も書いた通り、アメリカで子育てしていて高度の日英バイリンガルにするのは至難の業ですが、少なくともそのために親ができること。

  1. 日本語だけで話しかけ、自分とは必ず日本語で話すよう小さい頃から徹底すること。
  2. できればきょうだい間も日本語にする。
  3. 状況が許せば、夏休みに日本の学校に体験入学する。
  4. 日本語で習い事をする(そろばん、空手、剣道など)。
  5. 日本語学校でお友達を作る、日本人家庭と家族ぐるみで仲良くなる。

1番が一番大事です。これなしには成り立たない。子どもの成長と共に、親は日本語で話しかけるけれど、子どもからは英語で返ってくる、という現象が起きてくるようですが。。。言語は使わなければ忘れていくもの。たとえ、子どもの発話が英語になってしまったとしても、親が諦めなければ聴解能力だけは保てます。

2番は、家庭内の日本語を保つために大切なのですが。。。難しい〜! 保育園や学校に行って、お友達と「遊ぶ」言語が英語になってくると、きょうだいと家で遊ぶときも英語になっていく。そして学校などに通い、子どもそれぞれの英語が強くなっていくと、そちらの方が楽なので当然英語に流れます。

3番も毎年続けるのはなかなか難しい。しっかり毎年やっている家庭も見受けますが、ほぼ100%日本人の親が専業主婦・主夫というパターン。または、かなりフレキシブルな仕事で遠隔からリモートワークできる、とかでないと難しいでしょう。そしてたとえ日本人の親が専業だったとしても、経済的に困難な場合も大いにあるし、日本で滞在できる先(実家など)がないという場合も。日本にいる家族や親戚に頼れるのなら、親が一緒に滞在せずとも可能な場合もあるでしょうが。。。それらはかなり稀なケース。むしろ、日本にいる祖父母が高齢になっていくに従って、頼るのは難しくなっていく方が多いのでは。そしてたとえ親の状況が許しても、子どもの年齢が上がると共に嫌がられる、というのも必然。小学校まで、というのが妥当なライン、中学まで行かせたという話はほとんど聞かない。子どもの性格や日本語力によるところが大きいです。

4番は、私の周囲ではしている人が多いですが、これはたまたま地域にそれなりのサイズの日本人コミュニティがあるから。アメリカでは子どもの空手クラスは人気ですが、大抵、先生は日本人ではない。剣道はあまりなし。そろばんはオンラインでしている子も多いかな。あとは、公文とかenaとかの塾で日本人の先生がいるところをピンポイントで狙っていくとか。住むエリアによるので、日本食料品店がそもそもないようなところでは難しいだろうと推測します。

5番も同じく周りに日本人家庭がある程度いなければ成り立たない話。日本語を話すからと言って、子どもや親の気が合わないかもしれないので、もうこれは運ですね。。。

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これらをしていても、日本語は続かないかもしれない。バイリンガルなんて到底無理かも。でも、何かしら親が努力しないことには、バイリンガルになる可能性すらなくなる、というのが親としてはプレッシャーのかかるところ。親が時間とエネルギーを投資して子どもをサポートすることで、初めて0%が30%に、または50%なり70%なり可能性らしきものが出てくるわけです。そして、バイリンガルと一言で言っても色々。一番ハードルが高いのは読み書きも含めて複数の言語で大人として機能することができる、というバイリンガルですが、「子どもが生まれた時からアメリカ永住」で「ハイレベルの日英バイリンガル」を目指すのはほぼ不可能なんでは。。。と最近では感じてます(泣。日本と行ったり来たりする期間があり、日本でも公教育が受けられるなら話は違ってくるかもですが。アメリカには日本語を使った教育をする機関がなく、せいぜい土曜日の補習校、そしてごく稀にある日本語のイマージョン教育プログラムくらい。土曜日の補習校に通うことを嫌がらず、高校生まで通い続け、漢検などを受けながら漢字も勉強していき、自ら率先して日本語の本を読んだりする、とかいう子ならできるかも。そういう子も稀〜にいることはいる。しかし、大半は小学生くらいで補習校を辞めていくし、たとえ学校に通い続けても、現地校の勉強に加えて日本語を勉強していくことは難しくなるというのが現実。読み書きも高レベルでできるバイリンガルには程遠い。一番成功率が高そうなのは、読み書きのところで妥協して、コミュニケーションができるレベルの日本語を保つのを目指すことかなーと思います。

この「コミュニケーションができるレベルの日本語」というのは、家庭内では機能できる言語能力ということなので、仕事に日本語を使おう、とかそういうものにはなり得ません。本人が大人になってから努力すれば磨けるものだとは思いますが。概して、親とだけ日本語を使って育った継承話者の子どもたちは、いわゆる「てにをは」があやふやで、敬語はもちろん「です・ます」型を使った丁寧な話し方が苦手。まあ、仕事で使うような丁寧な話し方を家庭ですることはないのだから当然です。日本で育つ子どもたちだって、敬語は大学生くらいまで上手じゃなかったりするのだから、本人が必要を感じて身につけていかなければならないものなんでしょう。しかし、継承話者の場合は、そうした言葉に触れる機会すら限られているので、かなり本腰を入れて勉強が必要。

我が家の方針としては、家庭内の言語としての日本語が保てればそれでいいと思っています。元々、母親である私や祖父母と日本語でコミュニケーションすることができるのが一番の目標でした。もっと高度なレベルを目指して、日本式の教材を集め、家庭でやらせているお母さん達を見て、悩んだ時期もありましたが、それは我が家の目指すところではない。。。し、フルタイムで仕事をしている自分にそんな時間はそもそもなかった。。。し、子どももそういう家庭学習に抵抗を示すタイプだった(汗。無理矢理そこを目指していたら、私は時間に追われストレスになり、嫌がる子どもとバトルすること必至、親子関係を悪くしていたことでしょう(目に浮かびます)。 これらを気長に暖かく見守れる親御さんもいるので、親の性質にもよりますね(大汗。残念ながら、私は向いてない〜 子どもの反応や性質を見て、それぞれの家庭の優先事項や価値観を鑑み、軌道修正しつつ、細くでも長〜く続けていくのが大切だと思います。

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