ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

出産直後の妻のトリセツ

基本、出産直後の母親はめっちゃ疲れているし、いろんなことに敏感になっています。動物でも、赤ちゃんのいる母親はすごく警戒してて気が立ってるでしょ? 子猫に触わろうとしようものなら、母猫にフーッッてひっかかれます。あれと同じです。昨日までの妻とは別人だと思って接しましょう。なんでもないことでも、めっちゃ研ぎ澄まされてるレーダーにはひっかかりまくるので、逐一噛みつかれるかもしれません。それでなくとも、ホルモンとかいう自分でコントロールできないもので情緒不安定になっているので、いきなり泣き出されたり、怒鳴りつけられたり、何かというと皮肉と嫌味で返されたりするかもしれません。どうか大目にみて、寛容に対応してあげましょう。本人もきっとわかってるはず。たぶん。でもどうしようもなかったり。それで後で自己嫌悪になって罪悪感に駆られてるかもしれません。じゃあそうしなきゃいいじゃん、といっても、体力的にもめっちゃ消耗していて、精神的にもキツいと、かなりむずかしい。いや、無理。いやこっちだって一日仕事していて疲れてるし、とか思ってもそれを口には出さないようにしましょう。一日仕事をしているのは母親も同じ。しかも会社を出れば終わりなわけじゃなく、むしろベッドに入ってからが大変という、休みなしで終わりが見えない感じがツライ。しかも、自分のやることにいちいち赤ちゃんのことがかかってくる。疲れて寝たいのに赤ちゃんに泣かれると、「ああ、まただ~ もうヤダ!」と思うものの、無視しておなかすかせておくとか、泣かせておくとか、やっぱできないから。しかも、母乳育児しようとしてる場合、授乳をスキップするのは母親にもいいことは何もない。うつ乳*になったり、最悪それが乳腺炎**になったり、のちのち母乳不足になるかもしれないから。というわけで、母親に選択肢はない。そういうところをわかってあげるだけでも、かなりポイント高いです(たとえば、「乳腺炎」とか「産後うつ」とか、どうせ父親にはできない・関係ない、と思わず、それがなんなのかちゃんと勉強しておく、とか)。そこに加えて、ほんのちょっとのひと手間を加えてあげられるとさらにさらに高ポイント。たとえば、赤ちゃんが夜泣きしたときには、面倒だし眠いけど、一緒に起きて、赤ちゃんのオムツをかえてあげるとか、ベビーベッドから妻のもとに連れてきてあげるとか、そのたった1分の手間が大きな違いを生みます。泣き声で起こされて、「はあ…」と思いつつ、眠い体にむち打って起きようとしているときに、となりでいびきかいてるとか、起こされて明らかに不快そうに寝返りを打つとか、果ては「うるさくて眠れないから向こうの部屋に連れて行って」っていうとか***、そういうのよりもすっっごくいいのが想像できるでしょうか。特に最初の数ヶ月、赤ちゃんが少しまとまって寝られるようになるまで、プラス、母親が回復するまでは山場なので、使えるリソースはなんでも使って、支えてもらわないと母親に影響大です。そういうものなんだ、と思って、妊娠前から対策を練っておくのがいいと思います。

 

*乳腺がたまってしまったミルクで詰まってしまう状態。その部分がかたーくなり、放っておくと乳腺炎になってしまいます。

**文字通り、乳腺の炎症状態。全身がだるく、具合悪くて横になってないといられません。寒気がしてきて高熱が出ます。その箇所が腫れたり、激痛を伴う場合も。

***2-3時間おきに赤ちゃんが起きる初期のうちは、夫婦別々の部屋で寝て睡眠確保するのはありだと思います。でも、話し合って、お互いどちらか片方が休めるようにする、という目的なら、です。いつも母親が自分の睡眠を削って、眠い目をこすって授乳するのではなく、交代で、夫(または家族)が哺乳瓶でミルクをあげることもあるようにする。その間、別室で母親は眠れる、というように。逆もまたしかり。仕事をしていて、平日それをするのがつらいなら週末だけでも。