ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

出産直後の妻のトリセツ(2)

新生児と一日家にいるってどういうことか、っていう想像がつけば、どうして「晩飯は?」ってきいただけなのにキレられたのか、とかわかるかもしれません。

まず、母乳育児の場合、よく「3時間おきに授乳」と言われます。特に最初のうちは「赤ちゃんがほしがるだけあげて」とかも言われるので、それが2時間だったり下手すると1時間だったりすることもあるわけです。で、最初のうちは母親も赤ちゃんも初心者なので、なかなかうまくいかず、一回の授乳にがっつり30分とか45分とかかかることもあるわけです。で、げっぷさせて、新生児はすぐうんちが出るのでそれからおむつかえて...とかやってたらうんちがもれて着替えさせなくちゃならなくなったとか、おしっこされちゃって洗わなくちゃいけなくなったとか、果ては自分の母乳もれで着替えたりシャワー浴びたりするとか。で、そんなことをしているうちに赤ちゃんがトロトロしてきたり、下手すると眠くてぐずったりするので、だっこしたりあやしたりして寝かしつけます。赤ちゃんが寝たところでやっと一息。でも、この時点ですでに2時間ぐらいたってます。ということは、次の授乳までせいぜい1時間。この1時間で、母親はやっとご飯食べたり、着替えたり、必要最低限のことをするわけです。ここに家事は含まれてもいないかもしれません。このインターバルを一日中延々繰り返し、自分の食事とかシャワーとか必要最低限のことが済んだうえで、食事の支度とか洗濯とかかたづけとかが入ってくるんですが、毎回のインターバルで自由になる時間はせいぜい1時間。どれだけ家事とかできるでしょう? それも、それは赤ちゃんが毎回しっかり寝てくれる想定なので、ここで赤ちゃんがぐずっていたりして、ずっと泣いてる赤ちゃんをだっこしてたりすればその1時間もなし。かつ、母親は夜の授乳で睡眠不足なので、「できれば赤ちゃんが寝てるときに自分も寝て」とかいわれてます。無理をして母乳でなくなったりしたら困るので、ここはちょっと部屋が散らかっていようが、洗濯物がたまっていようが、晩ご飯の支度ができていなかろうが、休息第一です。でも、そういうのをだれかに委託していないと(母親*が手伝いにきてくれているとか)、ここで本当に昼寝をするのは至難の業です。それに、疲れてヘトヘトだって、少しぐらいは赤ちゃんをあやして遊んであげたり、写真とってみたり、母親だってしたいわけです。でも、家事をしなくちゃとか思ってたらそんな暇はない。もし、新生児を母乳で育てていて、家事も出産前とほぼ同レベルでこなしてるなんてスーパーな奥さんをもっていたら、毎日帰宅すると同時に盛大に労ってあげましょう。帰って来て、「晩飯は?」が禁句なのは、「きみがやるべき仕事はできているのか」ときこえるからです。「できてるわけないでしょっっ!」とか怒鳴られるかもしれないので、きくなら「晩飯はどうしようか」とか、もしくは「XXにしようか」と奥さんが作らなくてもいいオプションを提案するとかにしましょう。もうご飯ができていたりするなら、ねぎらいの言葉を。その時間を捻出するのは相当な努力があっての事。今までがそうだとしても、ご飯ができてて当たり前、な態度はタブーです。

産後うつというのがありますが、まわりをみている限り、かなりの母親がけっこうギリギリのところを歩いていると思います。みんなこういうことはそう口にしないか もしれないけど。本人すら認めたくない、というときもあるので、余計耳にすることは少ないのかも。でも、最初の1、2ヶ月はほんとにまわりのサポートが欠かせません。実質的、時間的なサポートを確保するようしてあげることもさることながら、精神的なものも大きいので、夫からのちょっとしたいたわりの言葉とか、気づかいとか超大きいです。

 

*手は必要ですが、関係が良好でない限り、義母に手伝いに来てもらうのは精神的負担を増すだけという可能性も。ピリピリしているときは実母とですらぶつかることもあるので、割り切って外注したほうがいいかも?