ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

海外移住がむいている人

海外移住に向いている人と言えばよくイメージされるような、積極的で社交的でバイタリティがあって。。。という人とは真逆のパターンもあることを指摘しておきたい(笑。もちろん、そういうどこでも生きていけるような生命力のある人はむいてます。しかし、人見知りで新しい環境が苦手で、友達も少なく(苦笑、小さなことでもすぐヘコんでしまうような私でも、なんとかやっていけるし、自分は海外に出てよかったんだな、と実感しています。これは、自分の性格上、日本で暮らすより海外で移民生活する方が比べようもなく楽だったから。

それも、日本に暮らしていた頃はストレスがひどく生き辛かった。。。とかでは全くない。むしろ、うまくやれる方だったと思う。国際的な家庭環境で育ったわけでもなく、大学生までいわゆる純ジャパで来たので、日本的な考え方しか知らず、なんの疑問もなかった。そして恐らくは両親の影響で、周りに配慮し常識を持って振る舞うのが当然、それができないのはいただけない、的な価値観が強かった。友人の中でも私は本当に「日本人的」で保守的で、「あるべき」像に縛られることなく自由に生きられる友達がまぶしかったほどでした。

しかし、そうして周囲に、社会に何を期待されているのか敏感に察知し、それに自分を合わせて動けるだけに、レーダーを常に張り巡らせて動くのはかなり疲れる。その、自分が疲れているという事実すら、そのレーダーを使わなくなって初めて気がついたくらいですが。いつも使っていて、レーダーが稼働しているのが普通の状態から、留学生活に入って突然、一年とかいう長期で一切使わなくなった。そしたら、日本に帰ってきてまたレーダー稼働させなくちゃいけなくなった時の反動がすごい。え、何これ、めっちゃ疲れるんだけど。そうして、日本ではいかに自分が人目を気にして、「社会規範」に自分を合わせて生きようとしているのか初めて気がついたのでした。これが、「他人がどう思おうと関係ない、自分は自分の生きたいように生きる」と言い切れる人だったら、別にどうということもないでしょう。でも自分の場合は、日本にいたらやっぱり人目を気にしてしまう。レーダーの電源を切ることはできない。しかし、電源オフ状態の楽さ加減をもう知ってしまっているので、ものすごくエネルギーを使い疲弊する。。。そもそも何も期待されていないような環境で初めて、自分は自由に楽に生きたいように生きられる、ということに気づいてしまったのでした。

そんなわけで、日本にいるのがデフォで、それなりに適応できていた(はず)自分ですが、そういう人こそ海外に出てみるとものすごく楽になるかもしれない。そして、一度出てみると、自分がどれだけ縛られていたのかがわかり、もう戻りたくなくなるかも(汗。意外と海外の方が楽になれる、ってことに気づくこともあるんじゃないかなーと思います。

ちなみに、この日本にいるとあちこちに気を遣って疲れる感じは、母親になってから強まりました。一時帰国すると全方位にレーダー張り巡らせ、子どもを見ていなければならない。これは子どもを守るということだけでなく、自分の行動を制御できない自由な生き物が他の人に迷惑をかけないよう常に見張っているということ。「しつけがなっていない親」と見られるのを恐れて、人前だと強く子どもを叱ってしまう、とかいう逸話を耳にしますが、あるあるです。外で遊んでいるだけなのに子どもの声がうるさいと言われないか周囲に目を配り、あれしちゃダメ、これしちゃダメ、と言い続けなくちゃいけない。。。つ、疲れる。

そこにいると、それしかないように思ってしまうし、そもそもの前提を疑問視することがないのは当然だと思うのですが、一旦違う場所に行ってみると、全然別の景色が見えてくる。。。ってよくあることだと思います。特に、日本の「常識的」な振る舞いができて気配り上手なお母さんたちは、海外が楽に感じるんじゃないかな。逆に、どこにいても自分の軸を貫ける人はあまり影響が少ないかも。そして、全てはバランスなので、海外移住生活に伴うストレス(それが言語の壁であれ、なじめない文化であれ、治安問題であれ)の方がよほど大きい、と感じる人なら日本の社会規範をうまく乗りこなしていく方がまだ楽、と思うかもしれない。自分の場合は、トータルで海外の方が楽だと思ったけれど、色々経験してみて、自分にとっての一番バランスのいい住みかをみつけるのがいいですね。選択肢を知るために、とりあえず短〜中期でも日本を出てみるのはおすすめです。