ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

若いときにちょっと海外に出てみて。。。現在に至る

初めて海外に行ったのは大学生の時。大学の短期語学留学だったので、そんなに英語力が向上したわけでもないですが、振り返ってみると、色々な刺激やカルチャーショックを受けたんだなあと思います。ホームステイだったので、アメリカ郊外のおうちの大きさにびっくりしたし、バスルームが複数あるとか、車がないと動けないような広々したスペースに家が建っているとか、そういう雰囲気的なものがとても印象に残っている。最近まですっかり忘れていたけれど、その広々した家にすっかり感銘を受け、「将来はアメリカ人と結婚してああいう家に住む」みたいなことを言っていた(笑。浅はかですが、自分の日本での住環境を初めて違った目で見ることができたのでしょう。前はそういうものだと思っていたから、狭いとか小さいとか思ったことがなかった。電車が混んでいるのも当たり前、窮屈だとか思ったことはなかったのに、そんなものが存在しない世界もあるんだ、と初めて実感。そして、大学院の時にもう一度留学して、今回は1年ほど実際に暮らしてみて、この感じはさらに強く。たまたま行き先が田舎だったので、帰国してから日本の都会生活に逆カルチャーショックを感じるほどに。混んだ電車に乗れなくなり、急行(混んでいる)を途中下車して各駅停車(空いてる)に乗り換えたり。人がたくさんいる都会を歩いていると情報過多で疲れてしまうので、眼鏡を外して歩いたり(超近視なのでぼやけて水の中を歩いているよう。←危ない)。

さらに、日本の公的空間を行き来するときに無意識に使っている「常識」と言われる行動規範に(自分の場合は)がんじがらめに縛られていることを初めて意識することに。当然ながら外国でもその国々、文化でそうした行動規範はあるのですが、そこに外国人として存在していると、それらが当てはまらない、またはそれらを知っていると期待されていないことも多く、ある意味フリーダム。加えて、集団主義的な日本に比べると、個人主義的な国ではそもそもその国の人でも個々が好きなように振る舞う自由が尊重され、日本ほど「常識」とかいう行動規範に縛られない、ということもあります。いや、ほんと、みんなフリーダム。それにすっかり慣れてしまってから帰国したら、日本の生活が窮屈で仕方がなくなってしまった。それこそ、電車内での座り方とか、自分のスペースの取り方とか。。。「他人に迷惑をかけない」という同調圧力と、女性としての行動規範、若い女性として気をつけるべきこと、なんか色々ありすぎてめっちゃ疲れる。。。というのがその当時の感想。考えてみれば、外国でだって「若い女性」は色々あるので、日本以上に気をつけなくちゃいけないところもあるし、「外国人」または「アジア人」としてアラートを立てておかなくちゃいけないこともあるんですけどね。でも、外国にいて味わった「フリーダム」はかなり解放感があり、インパクトが強かった。この頃、ぼんやりと「私はこのまま日本で暮らしていけるのかな」とは思った。「それ、したいのかな」とも。そして、実際に海外に出てみて意外と暮らせそうなのもわかり、ついでに現夫という彼氏までできてしまったので、海外に住むという選択肢がグッと現実感を持ってきた。

で、アメリカに住んでみることにして、幸運にもそのままとんとん拍子に話が進んだので今もここにいるわけですが。振り返ってみると、ほんのひと夏の留学経験がかなり色濃く自分に影響を及ぼしていたんだなあと。最近になってそれを思い出しました。そして、その後もう少し長期で「住んでみる」ことをしたら、日本に住むことに違和感を感じ始めた。その前は、日本しか知らなかったし、そこにある全てが普通で常識で、違うものがあるとすら思わなかったのに。海外に住んでいる人もいることは知っていても、それは自分とは違う世界に住む誰かの話で、少なくとも自分の現実ではなかった。それでも、大学から大学院までずっと英語を勉強はしていたし、留学してみてからは、意外となんとかなるんじゃないかといううっすらした自信も出て来たので、海外に住むという選択肢が現実的なものになった。当時は、まさかこういう結果になるとは思いもしなかったけれど、若いころにとりあえず続けていた英語の勉強と、海外に出てみる経験をしてみたことが、今の自分を作っているんだなあ、と実感する中年の今日このごろです。