ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

「長年海外に住んでるんだから、英語ペラペラなんでしょ?」

これ、よく言われます。日本人限定(なぜなら外国の方とは英語で話すので、「ペラペラ」ではないことは相手にもすぐ伝わる)。そして、海外在住の実情を知らない人によく言われる。親戚の年配の方とか。

在米歴がどんなに長くても、イコール自然に「英語ペラペラ」になるわけではないのは当然。これは、配偶者が非日本人で、日常のコミュニケーションが英語だったとしても、結婚生活が長くなれば英語も磨かれていく。。。わけではない。結婚生活にせよ現地での社会生活にせよ、恐らく最初の数年は伸びしろが大きく、一番成長する時期。何せ、わからないことだらけの海外生活を四苦八苦しながら英語でこなして行くので、否応にも学ばざるを得ず、結果英語力は伸びる。これがサバイバルスキルとしての英語力。しかし、一通りのことがこなせるようになった後は成長曲線がなだらかに。さらなる成長を求められるような環境の変化があるとか、または常に自分に挑戦を課し、意識的に勉強を進めていくというのでない限り、ある程度のところで天井にぶつかります。

自分の場合、①大学院生活、その後は②就職〜社会人生活初期、そして子どもができて③親として社会生活を営むようになってから、というのがそれなりに「挑戦」があった時期でした。とはいえ、院生としての最初の山がとてつもなかったので、その後の「挑戦」は細かい種目は違うけれど同じ競技みたいな感覚ですごく苦労した感じではなかった。ということは、そこでの学びとか自分の成長は最初に比べるとわずかなものだったということかなと。

在米歴が長い日本人の人からよく耳にするのは、アメリカに長くいればいるほど、日本語が出てこなくなるし、日々使わない漢字はどんどん書けなくなっていくということ。一方で、長くいるから英語がネイティブ並みになって行くかというと、全くそうではない。いつまでも、英語が不自由なアジア人というレッテルはある。発音をかなり意識して磨き、口を開けばニアネイティブ、という人はまた違って、こちらにもたくさんいるアジア系アメリカ人として認識してもらえるのかもしれない。しかし、いわゆるお勉強英語を長年やってきて、英語のテストは得意だけれど、英語のコミュニケーションができるようになったのは実際に海外に出てから。。。もちろん発音には強い日本人のアクセントが、という自分にとっては、英語圏ではいつまでたっても移民のレッテルを貼られることに。しかも、長くなる海外生活に伴い、日本が居心地悪くなってきてしまっていて、なんかもうほんと根無草。

在米歴長く、英語力もそこそこある場合、壁になるのは発音と語彙力かなと思います。基本的なコミュニケーションはできるし、知らない単語があっても、それを言い換えたり説明したりして凌ぐスキルは既に身に付いているので、あとはいかに洗練された知的な言い回しができるか、ということに。そして語彙力があっても発音がひどいと台無しというか、伝わらなくて意味なし、になるので、発音を磨くこと。しかし、言うは易し、でわかっていてもなかなか継続して時間を取るのは難しい。そしてモチベーション。だって現状でも生活はできてるから。より良いものにしたいけど、なくても大丈夫なことは後回しになるというもの。そして、在米歴はさらに長くなり、「英語ペラペラ」と期待されることも頻繁になっていくという悪循環なのでした。