ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

人生を変えた留学、と英語のこと

英語の「お勉強」は昔から好きでした。高校まで得意科目だったので、なんとなく大学でも英語の専攻を選択。が、典型的お勉強英語だったので、全然話せなかった。大学生のときに初めて短期留学でアメリカに行って、あまりのできなさに愕然。同じ大学から行った同級生で、ちゃんと会話できている子もいたので、勉強の仕方を変えなくちゃいけないんだろうなとは感じました。しかし、普通に日本で暮らしていると英語を使う機会ってない。。。と思ってました。その後、院に進み、今度は一年間留学することに。ここでも全然話せないし聴解もできない(泣。友達もできないし。。。って思ってたんですが、まあこれは元々の性格が超人見知りなので、英語の問題だけではなかったんだろうと今は思います。まあそれでも、一年いたので、少数ながら英語でコミュニケーションを取る友人ができ、毎日必死で授業についていくため勉強して、多少は英語力上がりました。しかし、挫折感が強かったので、当時はあまり自信がなかった。むしろ、院まで勉強を続けて、留学までしているというのに、「英語できます」と自信をもって言えない自分が恥ずかしかった。

しかし。一年間の留学後は、長期休みに飛行機に乗って海外の友達を訪ねていくという、これまでとはちょっと違う生活に。一人で飛行機に乗って海外に行くのはもちろん不安だったのですが、やってみると。。。あれ? 私大丈夫だわ。だって空港や機内の案内読めるし。迷子になってもその辺の人に英語で聞けるし。会話はやっぱり苦手だけど、「x番出口はこっちですか」くらいの質問ならさすがに大丈夫。イミグレの質問とかも、まあ色々別の意味で緊張するけど、短期で友人を訪ねるくらいのことなら話せる。一人で飛行機に乗るのはもうやったことあるし、キャビンアテンダントとの会話なんて超ミニマムな上、相手は外国人の扱いに慣れている。乗り継ぎするのにも、案内に従って正しい搭乗口にたどり着く、くらいのことなら可能。むしろ、ドイツ語とかフランス語とかはわからないので、英語でも書いてくれてありがとう!って気分になります。レベル低いですが、海外一人旅をするにあたって、この自信が感じられたことが大きかった。どこにでも行けるという自信と希望。海外に出るということが現実的な可能性として感じられました。高揚感と、希望に満ちた未来がもたらしてくれるある種の全能感は今でもよく覚えている。

全能感って大袈裟ですが、ずっと自分の英語力に自信がなかった自分にとってはそういう言葉がぴったり。あれがあったから海外に出よう、自分もできると思えたのかなと。暮らす、とか働く、とかは別次元なのですが、とりあえず、右も左もわからないわけではない。最低限の英語はできる、と思えた。長年英語を勉強して来たのに、全然使えない。。。と思い続けていたけれど、大丈夫、できる!と初めて思えたのでした。私は慎重派な上、リスクは極力避けるタイプだったので、何年も勉強して留学までしてやっとその瞬間にたどり着きましたが、やってみて、できるという手応えを感じ、それを積み上げていく、というよく言われるプロセスなんだと思います。

そして、留学すると、一気に世界各地とゆるいつながりができるのが何気に大きい。留学期間が終わっても、そこで出会った人たち(特に留学生)を訪ねて世界中色々なところを訪ねて行ったりすることに。なんのアテもない異国を旅行者として回るのはなかなかハードル高いですが、そこに友達がいれば、とりあえず空港までたどり着けばいいわけだし。その国の観光名所を回るだけでなく、ローカルな友達がいるならもっと生活に根ざした滞在ができるかもしれない。

超人見知り&英語も話すの苦手な自分は、留学しても、友達何十人も作って異文化交流!というわけにはもちろん行きませんでしたが、あれ以降確実に、見える世界も、自分がアクセスを持っている世界も一変した。私は「お勉強」が割と好きで、「留学して学位を取る」という方法しか思いつかなかったけれど、他の何がしかの形で海外に住んでみると、色々見えると思う。ここしかないと思って住んでいたところの他にもいろいろな世界があり、ちょっとジャンプしてみたらそちら側にも行ける!ということがわかる。またぴょんと跳んでみて、違うところにも行けるし、なんか違うなと思ったら戻ることもできる。自分はそうやって跳べるんだということを学んだカエルのような気分。跳べる脚があるなら使ってみたらいいと思うのです。