ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

子どもの学資をどう貯めるか

アメリカの大学は高い。公立大でもで日本の私大と同じくらい? アメリカの私大はピンキリですが、学費は州立大の数倍ではないでしょうか。例えば、うちのエリアにある州立大学の場合、州民の安いレートで年間1万ドルちょっと。4年で卒業するとして、約4万ドル。日本円にすると526万円(2023年3月現在のレート)。そしてこれは学費だけの値段です。アメリカの大学生は通常、家を出てキャンパスの寮に住むなり、友達とアパートをシェアするなりするので、住居費、食費、学用品代、諸経費がさらにかかります。そうすると、この4年で4万ドルは簡単に倍くらいになったり。なので、子どもを大学に送るのに一人1000万円ほど見込むことに。まあ、ファイナンシャルエイドとか各種奨学金などあるにはあるのですが、何がどこからどのくらいもらえるかは全く未知数なので、親としては目安額を決め、積み立てていくことになる。トップ5%に入るような富裕層の場合は全額親が出しているかもしれないけれど、子ども一人につき1000万ポーンと出すのは、子どもが複数いる場合、かなりハードル高いのでは。なので、足りない分は学生ローンを組むことになります。最初から親からの援助は一切なく、多額の学生ローンを組み、在学中もアルバイトに励む、という学生ももちろんいる。

何とか無事に大学を卒業しても、新卒で給料が安いうちに学生ローンを返済していくのは結構な負担。ここに、クレジットカードの負債もあったりすると返済額だけでかなり持っていかれる。自分を律していけないと、さらにクレカ負債を重ね、金利が膨らんでいくという負のスパイラルに。何とか月々の返済ができていても、日々の生活費を除いた余剰資金が負債の返済に使われていくので、若いうちから一定額を貯金と投資に使うということができない。20代のうちから毎月50ドルでもリタイアメント口座に入れていくことで、複利の効果を最大限に享受できるのだから、マイナスでなくプラスになることにお金を入れていきたい。しかしここで学生ローンがあると大きな足かせになります。

親としては少しでも子どもの負担を減らしてやりたいと思うので、ある程度経済的に余裕のある家庭では、529プランという子どもの学資積み立て口座を開設し、毎月少しずつここに入れていきます。529プランはリタイアメント口座と同じようなものですが、通常、期間は子どもが18歳になるまで、その時点での積立額+投資益は学費にしか使えないという規制がある。子どもが生まれると同時に口座を開設し、きっちり18年間貯める。そして祖父母などにも孫へのプレゼントはおもちゃでなく529への入金をお願いする。何なら、ベビーシャワーという出産直前にするパーティで、友人知人からもらうギフトをベビーカーとか洋服とかにするのではなく529への援助をお願いしたりとかもあるらしい。。。

しかしながら、子どもが小さいうちというのは保育費にめちゃくちゃお金がかかるので、529に入れるお金を確保するのは至難の業、というのが個人的な感想。その頃って、まだ若く、働き始めて間もなかったりするので、そもそもあまり経済的な余裕はないことも多いのでは。そしてそして、ファイナンシャルプラニングをする上で、子どもの学資よりもまず自分の老後資金を確保すること、というのは鉄則です。子どもはたとえ学生ローンを組んでも、その先がまだ何十年もある。そして理想的にはそこから仕事を得、収入は上がっていく。対して、自分の老後資金は、人生の残り時間は少なく(複利効果が見込めない)、退職した後は収入を増やす手立てが減るので、ある程度資金確保できていないとまずい。老後資金はいくらあったらいいのか、というのはさまざまな意見がありますが、まあミドルクラスの慎ましい生活を向こう30年とか見込むのであれば最低$1M、インフレ考慮してできれば$2Mというのが無難なラインでは。日本円にして1.3億円は、早いうちから始めれば不可能な額ではない、けれど、それには毎月かなりの額をリタイアメント口座に入れていかなくてはならない。ここに529が加わると。。。はい、かなり厳しいです。

今のところのうちの対応策は、(1)夫婦ともに自分のリタイアメント口座に拠出することを最優先、(2)529にもほんの少しずつ入れていく(それこそ月100ドルでもいい)、(3)Roth IRAをそれぞれ開設、子ども二人分の第二の学資口座とする、です。Roth IRAはリタイアメント口座ですが、子どもの学費や家の購入など、ペナルティなしで引き出せる案件がある。そして、そもそも積み立て元金はペナルティなしで59歳半になる前いつでも引き出し可。税金を払うことなく貯めたお金を使える529とほぼ同じベネフィットになります。しかし、老後資金という名目なので、学費にしか使ってはいけない、という縛りはない。529より柔軟性があります。子ども達が大学に行くとなったら、529のそれぞれの口座から使っていき、足りなければ私と夫のRoth IRAから足す。リタイアメント口座なので、学資を出した後も多少残っていれば、それはそのまま私たちの老後資金にする。とまあ、今のところはこんな感じで考えているんですが、果たしてどうなることやら。。。