ユルクネ。

*20代で渡米。30代になってから妊活、不妊治療。二児の母となり、アメリカで育児(自)中です。*

海外生活長くなった日本人にとっての日本

今、日本に帰りたいと思うかときかれたら、たぶん「あんまり思わない」が答え。個人の状況だけでなく、同じ人でも人生のどのステージにいるかで感じ方が変わるのかもしれないな〜と、中年になって、海外長くなって感じます。「帰りたい!」と思う理由は、①家族や友人に会いたい、②食べ物が恋しい、③アメリカで苦労していて日本の方が楽、④子供の教育のため、とかをよく耳にします。でも自分の場合は、今現在どれもあまり当てはまらない。日本はたまに旅行で行く楽しいところ、という位置付けです。

①家族にはもちろん会いたいですが、母とは毎週末LINEしているし、まあそれでちょうどいい距離感。子供が生まれたばかりとか、小さくて手がかかる時は、頼れる実母が近くにいるといいなーとか思ったけど、それがなくてもなんとかできるようになってしまった、というかならざるを得なかった。今は自分が家族が恋しいというよりは、子供を会わせたい、という思いで一時帰国している。孫命!の親のために、そして子供にじいじとばあば、おじさんやいとこと過ごす時間を作ってあげたい。あとは日本で生活した経験とか、日本語力維持のため(これは切実。2週間以上いると語学力が如実に向上)。そして、私もいい大人、かつ両親は引退生活なので、両親を旅行に連れていくとか、倹約家の母をいいレストランに連れていくとか、今のうちにしてあげたいとは思う。たぶん両親の介護やサポートが必要になってきたらまた考えが変わりそうです。それでも、自分の意向として日本を選ぶというよりは、必要に応じた現実的な選択肢として日本に行くことになりそう。家族がアメリカにいる以上、生活の基盤がアメリカにある以上、永久帰国はないと思う。

そしてもう一つ。昨年一時帰国した時、いつものように友達と会ったけれど、違和感が大きかったのです。むしろ、アメリカの友達といる方が居心地が良くなっていることに気がつきました(これはちょっと悲しい)。

②日本の食べ物はおいしいし、帰国したらここぞとばかりにアメリカでは食べられないものを食べまくっています。が。アメリカの食べ物、耐えられない!とか思ったことはない。というかそもそも家で作って食べることがほとんどで、ザ・アメリカン、みたいな食生活でもない。それなりに日本の食材は手に入るけど、めんどくさくて和食はあんまり作らない主婦なので、和食じゃなくてもおいしければよし。周りの日本人を見ていると、自分はやや特殊なのかも(汗。みなさん定期的に日本食スーパーに行き、「おひたし」とか「煮物」とか、うちの食卓にはほぼ上がることがない料理をされている。。。! 果ては、おいしいのが手に入らないからと、豆腐・納豆・味噌などなどを手作りする人も。日本風の甘すぎないスイーツ作ったり、もうみんなセミプロ。いや、一部、作ったものを販売している人もいるから、プロか。私はその真逆にいるので、食べ物がホームシックにつながったことはない。唯一、妊娠中つわりの時に和食が恋しかったけど、だからと言って日本に帰りたいー!とかなるわけでもないし。それももう遠い昔。

③アメリカでの苦労、と一言で言っても色々。人種差別や言葉の問題、仕事やビザの問題とか。治安悪いとか社会システム崩壊してるとか。そういうのがなくても日本の接客・行政サービスレベルに慣れてると苛立つことたーくさん。しかし、それらをどうにかこうにか乗り越え、荒波にもまれた末、理不尽なことがあっても気にしない精神力がついて来た。そしたら、むしろ日本にいるときに感じるストレスの方が大きくなってきた。今現在、小さい子供がいる母親・中年女性という立ち位置だけれど、それで一時帰国した時に感じたなんとなーく感じるモヤモヤが(こういうのね)ボディーブローのようにじわじわと。。。で、アメリカのわが家に帰ってきたらものすごく安心感と開放感を感じた。あ、自分の家はここで、日本よりアメリカの方が居心地良くなったんだな、とはっきり感じたのでした。

④子供の教育環境に関しては色々思うところあるのですが。。。それでも選ぶとしたら日本で教育を受けさせるのでなくアメリカを選ぶかな。銃の脅威とか、子供の性犯罪被害とか、ドラッグとか、色々心配はある。しかし、だから日本の学校に行かせたいかというと、いやそれは色々無理、というのが正直なところ。日本で暮らすという選択肢がわが家にはそもそも非現実的というのももちろん大きいけれど、子供の教育ということだけを考えてみても、たぶん日本は選ばない。

となるとね、日本は年に一回、家族に会うため、そして子供たちにルーツを感じてもらうため、そして大人は旅行者として日本の良いところを存分に楽しむために行くところになるわけです。暮らしたいとは思わない。楽しみ方も年々変わるし、日本に対する思いも歳と共に変わっていっているので、今後どうなるのか、また何年後かに考えてみたいなーと思います。